1.4.3 アインシュタインのつまずき

 ひょっとすると、アインシュタインは自分の間違いに気付いていたのかもしれない。と
いうのは、彼は1920年代にエーテルという考え方を復活させているからである。彼は、
「エーテルは電磁場の担い手である」とか「エーテルは相対論にとって欠かせないものだ」
と言っている。
 もっとも、アインシュタインが復活させたエーテルは、相対論以前のエーテルとは異な
るものだ。彼によると、それは「運動を考えない実在」なのだそうだ。
 確かに、そういう都合のよいものの存在を認めれば、相対論(光速度不変の原理)は正
当化できるのかもしれない。だが、そんな都合のいいものが存在するのだろうか?
 『運動を考えない実在』などというものが有り得るのだろうか?
 『運動を考えない実在』というものが存在することを、どうやって確かめればよいのだ
ろうか?
 それはまさに検証不可能(=反証不可能)だろう。
 それに『運動を考えない』という特徴は、エーテルが電磁場の担い手であることと矛盾
する。エーテル理論によれば、電磁場はエーテルの変形または緊張と解釈される。また、
電磁波はエーテルの振動と解釈される。もしエーテルが『運動を考えない実在』ならば、
どうやってエーテルは変形・緊張したり振動したりすることができるのか?
 以上のことから、アインシュタインの考え出した『近代的なエーテル』という考え方は、
相対論の延命のためにでっち上げられた屁理屈であることがわかるだろう。

 それにしても、なぜアインシュタインは一度は否定したエーテルを復活させたりしたの
だろう?
 その本当の理由は、統一場理論の失敗にある。彼は、特殊相対性理論を発展させて、一
般相対性理論を作った。そして、重力が一般相対性理論によって説明できると主張した。
そして彼は、電磁場もいずれは相対論によって統一的に説明できるようになる…と践んで
いたのである。これが、統一場理論である。
 ところが、それはいつまでたっても成功しなかった。つまり、彼は相対論によって電磁
場を説明することに失敗したのである。そこで彼は、電磁場については、マックスウェル
方程式を代用することで我慢しなければならなかったのである。そして、そのことを正当
化するために、エーテルを復活させたのである。
 それにしても、ニュートン力学を侮辱し、マックスウェル電磁気学を絶対視して作られ
たはずの理論(=相対論)が、重力は説明できるのに、電磁場は説明できないというのは、
どこかおかしい。こうしてみても、相対論がまったく胡散臭さいものであることに気付く
だろう。

次ページへ

目次へ