1.2.3 幾何光学の限界


 実は、日本でもこの点について論争になったことがある。下図を見てほしい。

 これはマイケルソン・モーレーの実験装置の中央にあるハーフミラーに光が反射する様である。定説によれば、光はハーフミラーで垂直に反射するとしている(Cの方向)。ところが、ある異端論者が、
「ハーフミラーで垂直に反射した光は、エーテル流に引きずられるから、Cよりも下流のC’に向かうはずである」
と主張した。もし、それが事実なら、ローレンツ以来の定説は崩れ、アインシュタイン相対論も間違いだったことになってしまう。当然のことながら、相対論信者たちは、この異端論のことを「疑似科学」呼ばわりしたが、そういう彼らもまた、自分たちが信じる定説を正当化するための根拠を全く示さずにいた。まさに、『猿の尻笑い』である。

 ここで気付かねばならないのは、マイケルソンたちの最初の解析結果も、ローレンツ以降の定説も、そして先の異端論も、どれも『幾何光学』を用いていると言うことである。はたして、マイケルソン・モーレーの実験を、幾何光学を用いて解析することは正しいのだろうか? 幾何光学には、それだけの予言能力があるのだろうか?
 このことを確かめるために、上図において、まずエーテル流が無い場合を考えよう。この場合、Aからきた光はBにおいてどの方向に反射するだろうか? 反射光は、どうやって求めるだろうか?
 まずBを通りハーフミラーに垂直な線を引く。この線をもとに、入射角と反射角が等しくなるに線を引く。そして、この線こそが反射光であるとする。ほとんどすべての人が、こうして答えを求める。このやり方が、まさに幾何光学を用いた解法なのである。
 さて、ここで注意しなければならないのは、幾何光学自身が反射光の方向を予言するわけではないと言うことである。それが証拠に、幾何光学を用いて『入射角と反射角が等しくなること』を証明するはできない。多くの実験結果や、他の物理理論によって、そうなることが証明されているから、幾何光学ではそうするまでのことである。幾何光学自体には、反射光の方向を予言する能力は、実は無いのである!
 さて、以上のことを認識した上で、次に本題のエーテル流がある場合を考えよう。はたして、幾何光学はどの方向に光が反射すると予言するだろうか?
 もう、おわかりだろう。幾何光学は、何も予言しない。何も予言できないのである。このような予言能力を持たない理論を用いて問題を解くことは、全くのナンセンスだ!
 こうしてみると、これまで見てきたどの説も、幾何光学の乱用によって生まれた似非科学であることがわかるだろう。幾何光学には、マイケルソン・モーレーの実験結果を予言(解析)する能力は無い。だからこそ、いかなる屁理屈もでっち上げることができるのである。そして、何より気付かなければならないのは、今日、教科書にも載っている定説もまた、こうした屁理屈の一つにすぎないということである。
 前ページで指摘した二つの疑問も、これで説けたであろう。マイケルソンたちが「エーテル流に垂直な方向の光はエーテルの影響を受けない」と考えていたのも、ローレンツが「川を横切ろうとする船が舳先を上流の方へ向けるのと同じく、光も反射方向を変える」と都合のいいことを考えることができたのも、彼らが幾何光学を乱用していたからである。

 以上のことから、相対論は幾何光学の乱用によって生まれたニセ科学であることがわかるだろう。気付かねばならないのは、幾何光学は中学生程度の学力の持ち主なら誰でも理解(?)できるという点である。それだけに、多くの人が「自分は、相対論を完全に理解することができた」と錯覚してしまうことである。
 さらに困るのは、幾何光学が楽な解法なだけに、科学者のような専門家までもが、この似非科学的解析法を安易に受け入れてしまうことである。
 とにかく、相対論は中学生レベルの知識を乱用して作られたニセ科学である。相対論は中学生(15才)程度の知能の持ち主だけが理解できる。残念ながら、それ以上の人には理解できない!

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