2.電束と磁束密度が意味するもの

マックスウェル電磁気学では、電磁場を表現するのに、電界Eや磁界Hの他に、

電束Dと磁束密度Bという概念を用います。

ご存じのように、これらの間には、

  D = ε・E

  B = μ・H

という関係がありますが、実はここに深い意味があるのです。


εとμは、それぞれ、空間が電磁気作用に与える影響度を示す係数です。

一方、EやHは、単位電荷・単位磁荷あたりに働く力(作用)を表します。

したがって、EやHに、εとμを掛けるということは、

空間が電磁気作用に与える影響を相殺するということです。

つまり、電束Dと磁束密度Bは、電界Eや磁界Hから空間の影響を省いたもの、

と考えることができます。


空間の影響を考えないというのは、明らかに遠隔作用の考え方です。

つまり、電束Dと磁束密度Bという概念は、

電磁気作用の遠隔作用性を示すもの、と言えるのです。

そして、電束Dと磁束密度Bという概念が存在すること自体、

マックスウェル電磁気学が遠隔作用を認めている証拠と言えるでしょう。


仮想力線電磁気学が遠隔作用理論であるにもかかわらず、

近接作用理論であるマックスウェル電磁気学の記述法を取り入れることができるのも、

こうした理由があるからなのです。

続・仮想力線電磁気学(目次)へ