・E=mc2の正体(アルキメデスの原理)

 仮想力線電磁気学は遠隔作用理論なので、誘電率・透磁率・屈折率は非局所的なものと
なる。そして、これらが電磁気作用に関わる概念であることから、この世のすべての物質
は、作用という面で非局所的であることに気付く。つまり、物質は常に他のあらゆる物質
と相互に作用を及ぼし合っているということである。すなわち、孤立系などというものは、
厳密には有り得ないものだということである。
 このことと関連して重要なのが、作用における相対性である。仮想力線電磁気学では、
光源・受光体(光を受けるもの。例えば観測者)・媒体(疑似エーテル、誘電体、磁性体
など)の三者を区別しない。こうした区別は、その問題を扱っている人間が勝手に行って
いるものであり、自然界においては意味の無いものだからである。
 例えば、電荷が振動して電磁波を発している問題を考えよう。この場合、振動している
電荷の系から見れば、受光体の電荷が振動して電磁波を発しているように見えるはずであ
る。また、媒体をなす電荷についても、個々の電荷は電磁波を受けると同時に放出もして
いるのである。したがって、これらは、受光体でもあり、光源でもある。
 要するに、それを光源とみなすか、受光体とみなすか、はたまた媒体とみなすかは、そ
れを扱う人間が決める問題であり、全く相対的なものにすぎないのである。

 さて、以上のことが認識できると、さらに多くの問題が解明される。ここでは、まず、
有名なE=mc2、すなわち、質量=エネルギー等価原理について説明しよう。

 物質を構成している素粒子は、絶対零度でもない限り常に運動しているので、必ず電磁
波(熱輻射)を放出さらには吸収している。遠隔作用的に表現するならば、常に他の物質
と互いに電磁気作用を及ぼし合っているということだ。こうした相互の電磁気作用(電磁
波の放出・吸収)があると、それによって輻射圧という作用を受ける。これによって、物
質どうしは互いに反発し合い、ちょうど水中に浮かぶ物体が受ける浮力のような力が働く。
仮想力線電磁気学では、この浮力を、『熱輻射浮力』と呼ぶ。
 さて、物質(を構成している素粒子)が、(何らかの現象で)輻射を放出・吸収し、エ
ネルギーを放出・吸収するならば、物質の内部エネルギーが変化し、それによって、放出
・吸収する熱輻射の量も変化する。すると、熱輻射浮力も変化する。すると、見かけ上、
質量が変化したように見えるのである。
 アルキメデスの原理を御存知の方なら、このことは容易に理解できるだろう。同じ物体
でも、空気中と水中とでは、重さを計った値が違う。これは、物体が周囲から受ける圧力
による浮力が、空気中と水中とでは異なるからである。
 E=mc2の正体は、実は熱輻射浮力のせいだったのである。そして、熱輻射浮力とい
う概念は、電磁気作用の非局所性、非孤立性からくる。そしてこのことを説明できること
が、近接作用にはない遠隔作用の特徴なのである。

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