・水星の近日点移動

 惑星が自転するのは、太陽磁場の中を公転する際に誘導される起電力によるものである
ことは、すでに述べた。こうした考え方は、(電気)工学の分野では、少しも奇異なもの
ではない。なぜなら、それはすでに誘導型のモーターなどに応用されているからである。
それはともかく、ここでもう一度、惑星に働く力を見てみよう。



 惑星が自転するのは、上図の様に、中心から(昼側に)ずれた力が働くからであった。
実は、この力は、惑星を自転させるだけではなく、下図の様に、公転軌道を内側に曲げて
しまう働きもするのである。



 もし惑星の公転軌道がもともと真円ならば、この力と重力と慣性力(遠心力)とがうま
く平衡したところで、軌道は真円に落ちつくだろう。だが、公転軌道が楕円の場合は、平
衡状態に落ちつくことができず、軌道は常に内側へ曲げられ続けるだろう。すると、楕円
軌道全体が公転方向と同じ方向に回転することになる。つまり、近日点の移動が起こるこ
とになる。このように力線の理論では、水星の近日点移動も、電磁気学的現象として説明
できるのである。
 さて、こうした電磁気作用による近日点移動は、どのような条件の惑星に起こりやすい
のかというと、

 (1)太陽磁場が強い
 (2)公転周速度、すなわち、磁力線を横切る速度が速い
 (3)離心率が大きい
 (4)惑星の質量が小さい

となる。ちなみに、(1)と(2)とを同時に満たす条件として、

 (1)’太陽からの距離が近い

と言い直すこともできる。水星は、まさにこれらの条件をすべて満たす惑星だったのであ
る。
 皮肉なことに、上で述べた条件は、一般相対性理論での条件と同じである。したがって、
多くの科学者たちが誤解してきたのも、無理はないのだ。

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