・惑星の自転と地磁気

 力線の理論は、水星の近日点異常も説明してくれる。その前に、これと関連する話とし
て、力線の理論が惑星の自転と地磁気の謎を説明してくれることを述べることにしよう。
 北の方から見ると、惑星は太陽の周りを反時計方向に公転している。



ここで気付いてほしいのは、太陽磁場の存在である。この太陽磁場の中を惑星が公転する
と、磁力線を横切ることになるので、惑星内部に南北方向に電流が流れることになる。



この図は、太陽側から見た図で、上が北である。さて、電流は電荷の流れであるから、磁
場の中を南北に電荷が動けば、電荷は磁力線を横切ることになるので、下図のように進路
が曲げられる。



ということは、惑星は公転方向とは逆向きの力を受けることになる。
 さて、この電流は惑星の昼間側と夜側とで、大きさが違う。というのは、太陽磁場はプ
ラズマによって運ばれてくるものであり、そのプラズマ流の量は、下図のように、夜側で
は惑星自身の影になってに遮られて弱くなる。



このため、磁場も弱く、流れる電流の量も昼側に比べてずっと小さい。したがって、上で
述べた力の大きさもずっと小さい。昼側と夜側とで力のアンバランスがあると、これが力
のモーメントとなって、惑星を下図のように回転させることになる。



お気づきのように、惑星の回転方向は、自転方向と同じく、反時計方向である。実際、太
陽系の惑星には、反時計方向に自転しているものが多い。
 さて、電流といっても、実際に流れるのは電子という負の電荷である。電子が、上で述
べたように、北側から見て反時計方向に流れると、北がS極、南がN極の磁場が生じるこ
とになる。地球などのようなサイズの小さい内惑星では、そうした惑星が多い。
 これに対して、木星などサイズの大きい外惑星では、少し違ったことが起きる。サイズ
の大きな惑星も、初期の段階では、惑星は反時計方向に自転し、北がS極、南がN極の磁
場が生じる。ところが、惑星自身の重力によって、塵やガスがさらに凝縮してくると、ち
ょうどフィギアスケートの選手が腕を縮めることで回転数を増すように、惑星の自転速度
も増してくる。すると、惑星の昼側の電子を横切る磁力線の運動方向が逆転する。つまり、
ちょうど惑星の公転方向が逆になったのと同じになる。すると電子が流れる向きも逆転し、
北がN極、南がS極の磁場が生じることになる。こうした電子の流れは、惑星の自転方向
をも逆転させようとするが、凝縮による加速の方が圧倒的に大きいため、自転方向は変わ
らず、反時計方向のままである。
 このように、力線の理論は、多くの惑星が持つ自転と地磁気の特徴を、説明してくれる。
もっとも、実際には、これに合わない惑星も存在する。ただし、これらの例外的な惑星は、
大抵、激変の大きな傷跡が数多く見つかる星なのである。したがって、元来は力線の理論
から導かれる法則にしたがっていた惑星だった可能性が高い。
 いずれにせよ、惑星の自転と地磁気をここまでうまく説明してくれる理論が、他に存在
しないのは事実である。

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