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マリー・ホール・エッツ Marie Hall Ets
 
1895~1984

アメリカ、ウィスコンシン州生まれ。小さい頃から絵が上手く、小学1年のときには、大人の絵画教室で勉強するほどの腕前だったとか。第一次世界大戦中に結婚。けれどすぐにご主人は亡くなられ、その後、社会事業に従事。赤十字からソーシャルワーカーとしてチェコへ。ところがそこで誤った予防接種をうけ、健康を害して活動ができなくなり帰国。その後、ロヨラ大学医学部教授であったエッツ氏と再婚。(「赤ちゃんのはなし」は、エッツ氏をはじめとする専門家の助言を受けながら出来あがった作品だそうです。)1943年エッツ氏癌で逝去。(「もりのなか」は、エッツ氏の看病をする中で描かれはじめた作品でした。)エッツ氏の死後はニューヨークに戻り、絵本づくりに専念。
「セシのポサダの日・クリスマスまであと九日」でコルデコット賞受賞
(下記絵本及び「絵本の歴史をつくった20人」(創元社)より)



 
わたしとあそんで
PLAY WITH ME
マリー・ホール・エッツ作 よだじゅんいち訳 福音館書店 
©1955 1968年 
中ページなど 絵本ナビさん  amazon   
 
「あさひが のぼって、くさには つゆが ひかりました。わたしは はらっぱへ あそびに いきました」
ばったが一匹、草の上にいます。「ばったさん あそびましょ」。
女の子が一緒に遊びたくてバッタを捕まえようとすると、バッタは逃げていきました。かえるもりすも生き物たちは、女の子が一緒に遊ぼうと近づくと、逃げていきます。・・・
 
淡いベージュを基調とした、やわらかな絵。
やさしく、いきいきと、女の子と生き物たちの存在が描かれています。
 
そして、女の子のかたちや言葉になりきらない心そのものが、読むものの心と響き合うよう。
初めて読んだとき、その感覚に驚きました。
おしまいの、「わたしは いま、とっても うれしいの。とびきり うれしいの」そう歌う女の子と一緒に、読むひとの心もぽっと暖かくなります。
 
27×20cm 32p  読んであげる3才 自分で小学低学年から
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もりのなか
In The Forest
マリー・ホール・エッツ作 まさきるりこ訳 福音館書店 
©1944 1963年12
中の絵など  絵本ナビさん  おひさま堂さん(古本)  amazon     
 
「ぼくは、かみの ぼうしをかぶり、あたらしい らっぱを もって、もりへ、さんぽに でかけました」
 
「ぼく」と一緒に、読む人も、森の中に入っていきます。
森では、ライオンと出会います。一緒におさんぽすることになります。次に、ぞうの子。それから・・・。
  
19×26cm 40p 読んであげる2才 自分で小学低学年から
 
* 洋書を読んで・・・
 
わたしは、この絵本の洋書、オリジナルを読んで、やっと、見えているのだけれど、何か、判然としない気持だったもの、なんだかうまくとらえることができないように感じていたものに、ふれることができたように、感じました。
この絵本の真の姿が、より、はっきりと、伝わってくるように、思いました。
完璧に、子どものための、ピュアで、優秀な絵本の構成、かたちをとりながら、そこには、人生がつまっている。わたしには、そう、感じられるのです。深いよろこびも、別れも・・・。
今は、おわかれ、だけど、また、会おうね・・・。
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また もりへ
ANOTHER DAY
マリー・ホール・エッツ作 まさきるりこ訳 福音館書店 中の絵など 絵本ナビさん
©1953  1969
 
「わいわい がやがや いう こえが きこえてきました。あまり さわがしいので、ぼくは、どうしたのだろうと おもって、もりへ みにいきました」
 
「もりのなか」が描かれたのは1944年。それから1953年、「
ANOTHER DAY」(また もりへ)が描かれました。
 
この森では、動物たちがぼくを待っていて、自分の得意なことをやって、誰が一番すてきか、うでくらべをします。
いつものように、エッツさんの描く動物たちはとても魅力的。ちょっとした表情の端々がとても豊かです。「もりのなか」よりも、もっとまっすぐ楽しい雰囲気かなって思います。みかえしも、すてき。
 
19×26cm 40p 漢字はニだけ 読んであげる2才 自分で小学低学年から
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クリスマスまであと九日 セシのポサダの日
Nine Days to Christmas
マリー・ホール・エッツ&アウロラ・ラバスティダ作 たなべいすず訳 富山房 
©1959 1960年 コルデコット賞受賞
中ページなど 絵本ナビさん 
 
これは、ポサダという、メキシコのクリスマスの風習を題材に、セシという小さな女の子を主人公にした絵本です。
 
淡いベージュを背景に、鮮やかなピンクの色が配されて、色数は少ないけれど、ページを開くたびに、クリスマスの季節を迎えた、ドキドキとしたうれしさを感じます。
実際に、メキシコを何度か訪れて描かれた作品なのだそうで、それだけに、メキシコの町や人々、子どもたちのようすなども、しっかりと、いきいきと、描かれています。
そして、特に、ラストのセシの姿には、深い慈しみを感じずにはいられません。
 
*アウロラ・ラバスティダさんは、メキシコの図書館の児童図書館員さんで、エッツと、メキシコの都会の子供を描いた本が少ない、という話をしたところから、この絵本が作られたそうです。
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ジルベルトとかぜ
GILBERYO AND THE WIND
マリー・ホール・エッツ作 たなべいすず訳 冨山房
©1963 1975年8月  洋書の古本の中の絵 キュリオブックスさん 
 
「きこえるよ、かぜが とぐちで よんでいるのが。」
 
ジルベルトという男の子が、傘や風船など身近にあるものを通じて、さまざまな風と遊び、全身で触れあっている様子が描かれている絵本です。
 
少し緑色がかったグレーのような(ちょっと表現しにくいけど)色つきの紙の上に描かれる、美しい絵。白と茶色が効いています。
 
最後のページ、男の子がうつぶせになっているシーンにもはっとしました。
 
「絵本図書館」(ブック・グローブ)によると、ジルベルトは、カリフォルニアに住むメキシコ人の男の子。和書にはなっていないけれど、
「Bad boy ,Good boy」(1967)という、ジルベルトくんの一家の実話を描いた作品も、作っていらっしゃるそうです。
 
漢字なし 約
25.5×22cm 32p
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モーモーまきばのおきゃくさま
COW’S PARTY
マリー・ホール・エッツ作 やまのうちきよこ訳 偕成社 
©1958 1969年 3・4歳から 洋書の古本の中の絵 キュリオブックスさん 
 
「はるの まきばで、うしが くさを たべています」
 
なんておいしい草なんでしょう。誰かにごちそうしてあげたいわ。
そこにかけすがやってきて、僕がお客さまを誘ってこようといいます。ご馳走は草しかないけど、みんなにはだまっていよう、と。
 
ほわんとやさしい春の野原で、牛さんはたくさんのお客さまと、楽しいときを過ごします。でも、ご馳走が草と知って・・・
 
かけすは笑ったけど、たしかに全員がそこに残ったわけではないけれど、馬や、やぎ、羊さんも、草がだいすき。春も夏も過ぎるまで、毎日毎日みんな仲良く、とっても幸せに過ごします。
 
世の中には、いろいろな存在がありますね。
やさしい風景とかわいい動物たちを登場させながら、そんな現実を、きちんと伝えてくれているのかも。
 
漢字はなし。
25.5×21cm 31p
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海のおばけ オーリー
OLEY,The Sea Monster
マリー・ホール・エッツ作 石井桃子訳 岩波書店 
©1947  小学校1・2年以上
 
オーリーは、生まれてまもないアザラシの赤ちゃんです。
あるとき、おかあさんが沖にお魚をとりにいったあいだに、水兵につれていかれてしまいます。
オーリーは動物屋に売られ、次に、遠くの町の水族館に売られてしまいます。
お母さんが恋しくて、元気をなくすオーリー。
やさしい水族館の飼育員さんのおかげで、命は助かるのですが、人間が勝手にオーリーをおばけだと思い込み・・・
 
モノクロのこまわりのまんがふう絵本です。
おしまいは、にっこり。オーリー、わき目も振らず、一気に海まで泳ぎきりますよ。お母さんのところへ!
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赤ちゃんのはなし
THE STORY OF A BABY
マリー・ホール・エッツ作 坪井郁美訳 福音館書店
中ページなど  amazonさん      
 
「はじめは、とても目のいい人でも、やっと見えるか見えないくらい小さなものでした。ほこりのように風にまう干し草のたねより小さなものでした」
 
目に見えないほどの小さないのちのもとが、もうひとつの別の小さなものと出合って始まる新しい命の旅。それは、どうやって「家」にたどりつき、どのように姿を変えながら、わたしたちのもとへと生まれてくるのか。
 
丁寧な絵と、やさしい言葉で描かれた、いわゆる「科学絵本」に分類される絵本です。
エッツさんの描写の力はすばらしく、そのうえ、間(ま)とでもいうのでしょうか、集中するところと書き込みすぎないところのバランスがまたすばらしくて、育っていく赤ちゃんの変化や生まれたての赤ちゃんなど、精緻に描かれながら美しく、そのひとつひとつから、いのちへの慈しみと敬意、深いまなざしを感じずにはいられません。
言葉のやさしい手触りが伝わる邦訳も、うれしい。
ゆっくり読んで、見たい、絵本です。
 
5・6歳 自分で自分小学低学年
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ねずみのウーくん
MR.T.W.ANTHONY WOO
マリー・ホール・エッツ作 たなべいすず訳 冨山房
©1951  1983年11月  
 
シューシュコ町に、くつなおしのおじさんが、ねこのミーオラと、ねずみのアンソニー・ウーくんと、犬のロディゴと一緒に住んでいました。
ウーくんは、もともとこの家に住んでいて、そこにおじさんが引っ越してきて、その後、ウーくんがいることをその時まだ知らなかったおじさんは、家がなくてやってきたミーオラとロディゴを入れてあげたのです。
おじさんは、うるさいおうむを飼っているお姉さんの家から、静かに暮らしたいから出てきたのですが、猫とネズミと犬がひとつ屋根の下、いつも誰かが誰かをかまっていて、うちのなかはめちゃくちゃです。
そんなある日、おじさんの留守の間に、ロディゴとミーオラが大げんか。そのさわぎに驚いたお客さんが、おじさんのお姉さんのドーラおばさんを呼んできて・・・。
 
ドーラおばさんとおうむがやってきて、一人と三匹の生活がおびやかされるのですが、動物たちが協力して、ドーラおばさんとおうむを、元のおうちに戻すことに成功します。
ミーオラもロディゴも、けんかしても、みんながひどい目にあうだけだということが分かって、おじさんたちは、みんな仲良く平和に暮らせるようになります。
おしまい、やさしい読み終わりです。
 
しばらく(多分ここのところ何年もだと思う)出版社在庫切れ状態だったのですが、2009年4月、重版されました。うれしい。
絵本だけれど、長めのお話しです。絵はモノクロ。
 
漢字は少しありますが、全部ふりがなあり  20.5×27cmくらい 
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いどにおちたぞうさん
ELEPHANT IN A WELL
マリー・ホール・エッツ作 たなべいすず訳 冨山房
©1972
洋書の古本の中の絵 キュリオブックスさん 
 
「むかし、ちいさいぞうさんが、ものほしのつなを はなにまいて、さんぽしていました。」
 
ところがぞうさんは、井戸に落ちてしまいます。
馬がやってきて引っ張ったのですが、引っ張りあげることはできません。次は牛がやってきて・・・。
いろんな動物たちが、ぞうさんを助けようと綱引きに加わっていきます。
 
モノクロの画面。なのに、愛らしくて、かわいい。ほっこりします。
ちょっと分かりにくいかもだけど、画面の隅々までよーくみてね。
おしまいの井戸から出られたゾウさんのうれしそうなこと。
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ちいさなふるいじどうしゃ
LITTLE OLD AUTOMOBILE
マリー・ホール・エッツ作 たなべいすず訳 冨山房 
©1948年  1976年1月
2010年復刊
中ページなど 絵本ナビさん おひさま堂さん(古本)  amazonさん  
 
「あるとき、あるところに、ちいさな ふるい じどうしゃが ありました。」
 
運転手さんが丘の上に止めて、待っててくれよっていったのに、じどうしゃくんは、じっとしてるのなんかいやだ!と、走り出してしまいます。
丘の上からかけおりて・・・
 
お願い、待ってて、すぐにどくから、と、言っているのに、道でであった生き物たちを、じどうしゃくんは次々とはねとばしていきます。
そして・・・
 
モノクロ。だけど、やわらかなタッチで、あいらしさ、あたたかみがあります。
それにしても、じどうしゃくんは、きかんぼで、乱暴者だとこと。
機関車にまでつっこんでいって、はねとばそうとするなんて・・・。
 
まったく、あらあら・・・
でも、ばらばらになったじどうしゃくん。それなにり、迷惑かけた生き物たちの、役に立ったみたいですけど・・・ね。
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ペニーさん
Mister Penny
マリー・ホール・エッツ作 松岡享子訳 徳間書店
©1935,renewed1963 1997年6
 
「むかし、あるところに、ひとりのとしとった男の人がいました。名まえをペニーさんといいました。」
 
ペニーさんは貧しくて、大勢の家族(働かなくてめんどうくさがりやの動物たち)を養うために工場で働いていました。
ある日、ペニーさんが出かけている間に、動物達はおとなりさんのりっぱな畑に入って荒らしてしまいます。・・・
 
なまけ者で甘えんぼうだった動物たちが、ペニーさんと自分達の危機に立ち上がり、家族みんなで幸せになるお話です。エッツさんのデビュー作だそうです。
 
21×28cm 52p 漢字には振り仮名あり
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ペニーさんと動物家族
Mister Penny’s Race Horse
マリー・ホール・エッツ作 松岡享子訳 徳間書店
©1956,renewed1963 1998年10
 
「ペニーさんと、動物の家族は、夏じゅう毎日畑で働きました。」
 
野菜も花もみごとに育ち、ペニーさんは、年取った馬のリンピー以外の動物たちと収穫物を、農業祭に出品することにしました。
 
でも、あのペニーさんの動物たちが、お行儀よくおとなしーくしているはずがありませんね。問題を起こして、会場から出て行かなければならなくなってしまいます。
でもそこで、もうひとつ巻き起こした騒動は・・・。
 
品評会には出られなかったけど、リンピーが活躍して、とてもしあわせな結果となります。
楽しいやさしいお話し絵本。
 
26×20cm 64p 漢字には振り仮名あり
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きこえるきこえる
TALKING WITHOUT WORDS
マリー・ホール・エッツ作 ふなざきやすこ訳 ブッキング
2007年5月復刊
 
「「きみの もっているもの なにか おくれ」ゾウは はなを のばします。」
 
声に出して話さなくても、語り合える、気持ちや心が通じあえる。その様子が描かれている絵本です。
モノクロの絵本です。
 
「メイ・マッシーを偲んで」一番最初に、そうあります。
その言葉が、一番最後のページを読んだとき、ぱっと心に映り、はっとしました。じーんとしました。
これは、子どもたちのための絵本。でも、本当にマッシーさんのことを想い、偲んで描かれたものだということが、この最後のシーンに集約されているように思いました。やっぱり、エッツさんは、すごい・・・。
 
ちなみに、この本の作者紹介によると、マッシーさんはバイキング社児童図書編集長で、彼女との出会いによって、エッツさんは多くの絵本を作り出すことになったのだそうです。
 
なお、この本は、以前はらくだ出版さんから出ていましたが、2007年、ブッキングさんから復刊されました。
復刊された本のほうは、紙が少し光沢があるタイプのものにかわっていて、わたしは、エッツさんの絵は、光沢がないタイプの紙の方が、ずっと似合っている、よさが伝わると思うのですが・・・。個人的にはそこが、残念。
 
簡単な漢字が少しあって、ふりがななし。
19×24cm 
amazon(ブッキング版)  amazon(らくだ出版)

おやすみ、かけす
JAY BIRD
マリー・ホール・エッツ作 まさきるりこ訳 大日本図書 
©1974年  2008年11月
中ページなど 絵本ナビさん   
 
やわらかな紺色に染まった、
ゆったりとした穏やかなリズムの、静かな、おやすみなさいの絵本です。
 
漢字なし。
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エッツさんの本
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