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ビアトリクス・ポター Beatrix Potter
 
1866~1943
祖父が大きな財産を築いた裕福な家に生まれました。夏の休暇で湖水地方を訪れ、自然と親しみ、そこでは、ローンズリー牧師とも出会います。それは、ナショナル・トラスト運動との出会いともなりました。彼女は、小さな頃から、動植物を観察しスケッチしていました。20代頃は、菌類の研究に熱中しました。
1901年、私家版の絵本「ピーターラビットのおはなし」を出版。翌年、フレデリック・ウォーン社から「ピーターラビットのおはなし」が出版されます。以降、絵本を発表していきます。
その後、フレデリック・ウォーン社のノーマン・ウォーン氏とひそかに婚約したのですが、婚約してすぐノーマン氏は病で急死。彼女はその後も絵本を描きながら、その印税で、湖水地方の土地・農場を買っていきました。その土地購入の際に出会った弁護士、ウィリアム・ヒースリー氏と結婚。やがて、本格的に農場で暮らし、農場経営に携わるようになります。湖水地方原産のハードウィック種の羊の飼育に力をいれ、その羊は、品評会でも賞を受賞。全英ハードウィック種牧羊協会初の女性会長にも選出されました。
彼女は、絵本の印税で、美しい湖水地方の土地と自然を大きく確保し、遺言で、その広大な土地と農場をナショナル・トラストに寄贈しました。
(参考図書 「ビアトリクス・ポター 描き、語り、田舎をいつくしんだ人」「絵本の歴史をつくった20人」)
 
Peter Rabbit
福音館書店 みんなの人気者 ピーター・ラビット  


ピーターラビットのぬいぐるみ
左と中)ベアーズ牧場 右)ロボクリス

 
ピーターラビットのおはなし
ビアトリクス・ポター作 石井桃子訳  中の絵など 福音館書店
©1902 2002年10月新版
読んであげる4才 自分で小学低学年 
 
お母さんは、お出かけ。
マクレガーさんの畑にはいっちゃだめよ。お父さんはあそこでつかまって、おくさんに肉のパイにされちゃったんだから。
お母さんにそういわれていたのに、ピーターは、マクレガーさんの畑に一直線。そしてやっぱり、大変なことに・・・!
 
ピーターラビットシリーズの新版が、2002年出版されました。
最新の製版、印刷技術により、原画のよさがより伝わるものになっていると聞いてはいましたが、手にとってみて、感動!とても美しかったです。水彩の筆のタッチや美しさだけではなく、線の味わいも、よりはっきりと伝わるようになっているように感じました。
もうお持ちの方も、もう一度買いなおしたくなってしまうんじゃないかしらと思いました。
以下の絵本も新装版を読んでの感想です。
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グロースターの仕たて屋
THE TAILOR OF GLOUCESTER  ©1903
ビアトリクス・ポター作 石井桃子訳 中の絵など 福音館書店
よんであげる5・6歳 自分で小学低学年から  
56p 15×11cm  2002年10月  
 
「ひとびとが まだ 剣やかつらや えりに花かざりある ながい上着を 身につけたころ」
 
グロースターの町に、ひとりの貧しい仕立て屋が住んでいました。
仕立て屋は、クリスマスの前の寒さの厳しい日、グロースターの「市長殿」の服をつくり始めました。
あとは縫うばかり、そして、紅色のあないとがあとひとかせあればできあがり、というところまで仕事をし、家に帰ったのです。が・・・。
 
読み終わった後、大きな満足感に包まれました。
かわいらしい、すてきな洋服を着たねずみたち、みごとな市長殿の服の刺繍、ちょいと野性的な表情のねこのシンプソン。そういった、ひとつひとつのイラストもすてきですけれど、そういうことだけではなくて、全体で、すてきでした。長く長く読み継がれ、高く評価しつづけられているその実力を、改めて実感。
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りすのナトキンのおはなし
THE TALE OF SQUIRREL NUTKIN  ©1903
中の絵など 福音館書店
 
「これから するのは、しりきれしっぽのおはなしです - そのしっぽは、小さなあかりすの しっぽで、りすの名まえはナトキンといいました。」
 
ナトキンは、兄さんや大勢のいとこたちと、湖のそばの森に住んでいます。
木の実が熟した頃、みんなは湖の中に浮かぶ、ふくろうのブラウンじいさまが住む島へ、木の実をとりにでかけました。
みんなはおみやげをもって、丁寧に、ブラウンじい様に木の実を取ることのお許しを願ったのですが、ナトキンだけはなまいきでした。
ブラウンじい様は、そんなナトキンを、はじめはほっておいたのですが、ついに・・・!
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2ひきのわるいねずみのおはなし
THE TALE OF TWO BAD MICE  ©1904
中の絵など 福音館書店
 
「むかし あるところに たいへんきれいな にんぎょうのいえが ありました。」
 
子ども部屋のその家のお人形が、乳母車に乗って外に出かけた日、ねずみのトム・サムとおかみさんのハンカ・マンカは、人形の家に入って、作り物のごちそうとか、家の中をめちゃくちゃにしてしまします。・・・
 
かわいいお家の中でちこちこと動くねずみたちが、いきいきと描かれています。トムとハンカは、ポターさんのペットのねずみだったそうです。

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ベンジャミンバニーのおはなし
THE TALES OF BENJAMIN BUNNY   ©1904
ビアトリクス・ポター作 いしいももこ訳 中の絵など 福音館書店  
 
「あるあさ、小さなうさぎが みちばたの どてのうえに すわっていました。」
 
ベンジャミン・バニーは、マクレガーさんが馬車で出かけたのを知ると、親類のピーターの家に駆けつけて、ピーターと一緒にマクレガーさんの畑に出かけます。
そこで、またまた大変なことになってしまうのですが・・・。
ベンジャミンのお父さん、とっても立派なバニー氏が登場。悠々と二人を助け出してくれます。
 
読んであげる4才 自分で小学低学年から
15×11cm 56p 
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パイがふたつあったおはなし
THE TALE OF THE PIE AND THE PATTY-PAN  ©1905 
中の絵など 福音館書店
 
「あるところに リビーという名の ねこがいました。」
 
ある日、犬のダッチェスをお茶に呼ぶお手紙を書きました。ダッチェスも、お伺いしますとお返事を出しました。
でも、犬のダッチェスは、どうしても、ねこのリビーの言う「ごちそうパイ」のことが気にかかってなりません。どうしても「ねずみのパイ」のような気がしてならないのです。ねずみのパイなんて食べれません。でもお呼ばれなら食べなくちゃいけないし。それに、ダッチェスもパイを作っていたのです。小牛とハムの。ああ、このおいしい私のパイが食べたい!
そこで、ダッチェスは・・・
 
パイを巡って、ダッチェスは大変なめにあってしまいます。いい考えだと思ったんですけどね。あーもう。ダッチェスのはらはらの気持ちなどが、よく伝わってきます。
 
色とりどりの花々と、ふわふわとつややかな毛並みの黒い毛のダッチェスの対比、特に美しいと思います。
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ティギーおばさんのおはなし
THE TALE OF MRS.TIGGY-WINKLE  ©1905 
中の絵など 福音館書店
 
「いなかの ある農家に ルーシーというおんなの子がいました。」
 
ある日ルーシーはハンケチとエピロンを無くして探していました。そして、山へと登っていきました。
ルーシーはそこで、腕利きの洗濯屋、ティギー・ウィンクルさんと出会います。
 
とげをはやしたティギーおばさんのこちらを見つめる瞳、野性味を持ちつつ愛らしいです。
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こわいわるいうさぎのおはなし
THE STORY OF A FIERCE BAD RABBIT    ©1906
ビアトリクス・ポター作 石井桃子訳 中の絵など 福音館書店
読んであげる3才 自分で読む小学低学年  
 
「これは、こわい わるい うさぎです。」

あらあらしいひげに尖った爪。しっぽだって「にゅっ」と突き立っています。
そしてこっちはいいうさぎ。お母さんからもらった人参をかじっています。だけど、悪いうさぎが、にんじんを横取りしてしました。そこに・・・
 
猟師に「ズドン」とやられてはらはらしたら、なんと、「こんなこと」になっちゃうなんて!
思わず、ふふっとわらってしまいました。
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こねこのトムのおはなし
THE TALE OF TOM KITEN   ©1907 
中の絵など 福音館書店
 
「あるところに、3びきのこねこが、いました。名まえを、ミトンに、トムに、モペットといいました。」
 
ある日お母さん猫のタビタ・トウィチットさんは、お茶の会にお友達を招待したので、子猫たちを洗って、いいお洋服に着替えさせます。
でも・・・
 
いやはや、かわいいおうちと花咲くお庭の中で、子供たちはちっともじっとなんかしていませんね。
この本には、ヒルトップ農場の家とその庭がそっくりそのまま描かれているそうです。
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ひげのサムエルのおはなし
THE TALE OF SAMUEL WHISKERS  ©1908
中の絵など 福音館書店
 
「あるところに、タビタ・トウィチットさんという名の おかあさんねこがいました。」
 
彼女の子どものこねこのトムが、ねずみのサムエルとアナ・マライアに「ねこまきだんご」(!!)にされそうになるお話です。
 
ほぼ、こねこのトムと同じくらいの大きさの、大きな大きなねずみたち。
彼等の大きさといい、「ねこまきだんご」とは、ちょっとまじにこわって思ってしまいました。
ポターさんも、ねずみには相当手を焼いていたのでしょうか。このお話の舞台となっているタビタ奥さんのおうちは、ポターさんのヒルトップ農場の家なのです。
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あひるのジマイマのおはなし
THE TALE OF JEMIMA PUDDLE-DUCK  ©1908
中の絵など 福音館書店
 
あひるのジマイマは、主人が卵を抱かせてくれないのを不満に思っていました。
そしてとうとう、家からずっと離れたところで卵を産もうと決心します。 ・・・
 
ジマイマったら、きつねにすっかり騙されてしまいます。もう、危ない!!
まったく、利口な番犬ケップがいてくれて、よかったですね。

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フロプシーのこどもたち
THE TALE OF THE FLOPSY BUNNIES  ©1909
中の絵など 福音館書店
 
「れたすをたべすぎると、『さいみんやく』のようにきくということです。」
 
そう、フロプシーのこどもたちには、確かにしっかり効いたのです。
子うさぎたちは、マクレガーさんの畑でレタスを食べ過ぎ眠りこんでしまい、その間に、マクレガーさんにふくろ詰めにされてしまいます。・・・
 
やわらかくあたたかな陽射しが降り注いでいるような美しい風景・イラスト。おだやかでゆったりとしたももこさんの翻訳も心地好いです。
子うさぎたちも、野ねずみのチュウチュウおくさんのおかげで、助け出されますよ。
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「ジンジャーとピクルズや」のおはなし
THE TALE OF GINGER & PICKLES  ©1909 
中の絵など 福音館書店
 
「あるむらに、1けんの ざっかやが ありました。」
 
このお店をやっているのは黄色いおすねこのジンジャーと、猟犬のピクルズ。
二人はいくらでも「かけ」で売りました。
そのおかげでお客は多く売上成績はとてもよいのですが、いつまでたってもお金がたまりません。誰もお金を払わないのです。・・・
 
ピーターラビットたちがお客さんとして登場しています。
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のねずみチュウチュウおくさんのおはなし
THE TALE OF MRS.TITTLEMOUSE  ©1910 
中の絵など 福音館書店
 
「むかし、あるところに、1ぴきの のねずみが すんでいました。名まえは、チュウチュウおくさんといいました。」
 
彼女はとてもきれい好き。でも、家には歓迎されないお客様がよくやってきます。ごみむしや、てんとう虫、太ったくもとか。その日は、まるはなばちと、かえるのジャクソンさんも呼んでもいないのに家に入り込んでいて ・・・
 
フロプシーのこどもたちで、子うさぎたちを助けたチュウチュウ奥さんのお話です。
家はめちゃくちゃにされてしまいますが、奥さんは再びすっかりきれいに片付けることができます。
もう勝手にジャクソンさんが入ってこれないように、対策もばっちりです。
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カルアシ・チミーのおはなし
YHE TALE OF TIMMY TIPTOES  ©1911 
中の絵など 福音館書店
 
「あるところに、ふとっていて、気のいいハイイロリスが すんでいました。なまえをカルアシ・チミーといいました。」
 
チミーはおくさんと一緒にクルミをせっせと拾い、木のうろと、木の高いところにある穴に入れておきました。
でもあるとき、わたりどりたちの歌のせいで、チミーは他のリスたちに追われ、チミーたちがクルミをためておいた小さな木の穴に押し込まれてしまいます。・・・
 
とっても立派なしっぽのチミーたちハイイロリスと、かれらより小柄なシマリスの、ハッキーご夫妻が登場します。
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キツネどんのおはなし
THE TALE OF MR.TOD   ©1912 
中の絵など 福音館書店
 
ある日、年よりうさぎのバウンサーさんは、息子のベンジャミンとお嫁さんのフロプシーが外出をしているあいだ、生まれたばかりのこども(彼の孫)たちのおもりをしていました。
けれど、彼は、なんと、はらぺこのあなぐまのトミーを、子うさぎたちがいる家の中に招き入れてしまったのです。
おじいちゃんがベンジャミンたちが帰ってきた音で目をさましたときには、トミーは子供たちをさらって、いなくなっていました。
ベンジャミンはすぐさま、トミーと連れ去られた子どもたちの後を追います。途中で会ったいとこのピーターも一緒に・・・
 
きつねどんとアナグマ・トミーのだましあいに大格闘。
すっごくこわい思いをしながらも、ピーターたちはその隙に、無事、子供たちを取り返すことに成功します。
緊迫したストーリー展開。その分、おしまいは、ほっ。

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こぶたのピグリン・ブランドのおはなし
THE TALE OF PIGLNG BLAND  ©1913 
中の絵など 福音館書店
 
「むかし わたしの農場にペティトーおばさんという名のぶたがいました。」
 
おばさんには8匹のこぶたがいて、みんな元気ですが、ブチとピグリンの他は、いたずらばかりしています。
そこで、ブチの他のコブタたちは、よそにやられることになったのです。
アレクサンダーと二人、市場に行くことになったピグリン。でもアレクサンダーは、途中、農場に帰ることになって、ピグリンは一人ぼっちになってしまいます。・・・
 
どこかドリーミンな、何か、シリーズの他の作品とは異なる雰囲気や印象を受けた1冊です。

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アプリイ・ダプリイのわらべうた
APPLEY DAPPLY’S NURSERY RHYMES   ©1917 
中の絵など 福音館書店
 
ポターさんが長くあたためてきたわらべうたの構想が、カタチになったものだそうです。
これまで書きためてきた詩と絵をまとめたもので、一つの本の中に、スタイル、タッチの異なる絵が収められているのはこのためです。
 
一番初めのコートを着たうさぎたちや、かごをさげてお皿に乗せたパイを運ぶスリッパを履いたアプリイ・ダプリイなどは、特にとても繊細なタッチで描かれています。
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左)ピーターラビットベアーズ牧場 
右)シュタイフのピーターラビットjun-collection

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